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広告からみる、世界と日本のクリエイティブのちがい

2018.06.19. Tue

海外と日本の広告の違い

Hello there! 私は日本で働いてる台湾人です。周りに海外の友人が多く、海外に行く機会の多い私は、日本と海外の文化には大きな違いがあると日々感じています。今回、様々な違いがある日本と海外の文化をビジュアル面でご紹介するため、日本と海外の広告をリサーチしました。

日本と海外では文化や考え方の違いで、同種類の商品でも全く違うコンセプトで広告が作られています。そこから日本と海外の思考の違いを読み解くことができます。私は日本人と同じアジア人ですが、一応外国人なので、日本人よりもこの違いを客観的にみているのかもしれません。では、日本と欧米の広告はどう違うのか見ていきましょう。

PMS薬の広告(Prefemin & Kitadol)

(左)日本:prefemin (右)スペイン:Kitadol

男性にはあまり馴染みがない商材なので、少しわかりづらいかもしれませんが、PMS薬を例としたいと思います。女性特有のこの商品からはっきり日本と海外の考え方の違えを見てとれます。こちらで紹介している商品のターゲットは女性です。日本の場合は直接色んな女性をインタビューをとり、この時期に起こる症状を書いてもらい、それを広告にしています。消費者はこの広告を見たとき、考えこむ必要がなくても、この薬にどんな効果があるかすぐに分かります。

書かれている言葉はネガティブなことが多いですが、ボードを持つ女性はみな笑顔ですね。その対比から商品の効果をとてもよく表している広告だと思います。

逆に海外の場合は、広告見た瞬間「あれ、これはなんの商品の広告だろう?」と考えさせられるものが多いです。このKitadolの広告もまさにその通り。ただし、一回この商品の名前やパッケージを見たら、「なるほど!」「確かに!」と言ってしまいますよね。

ちょっとやりすぎかもしれませんが、海外の広告の例では想像力を働かせることで、消費者の心に強い印象を残すことに成功しているといえるでしょう。

メガネの広告(Zoff & Keloptic)

(左)Zoffのメガネ広告 (右)フランス: Keloptic

二つ目はメガネの広告です。日本のグラフィックデザインはとても面白く、そのレベルが高いのはご存知の通りです。この広告ではグラフィックデザインの表現技法を駆使し、鮮やかな幾何学模様を使い、PCメガネが目にダメージを与えるブルーライトをカットするという効果を表しています。この広告の特徴は綺麗なグラフィックと美人のモデルさんです。伝えたいメッセージを誇大することなく、直接消費者に伝えられています。

では海外の例をみてみましょう。この広告ではメガネの品質を強調し、Kelopticのメガネを使えば、目に映る世界も変わるというコンセプトを表現しています。日本の広告との違いは、想像力を要し、面白く、ユーモアがあることでしょう。誰もが知っている有名な絵画を使い、消費者に「なるほど」と言わせる力があります。このメガネをかければ、ファン・ゴッホの絵もHD高画質写真に見えるわけです!(ファン・ゴッホは意外とイケメン!?)

Different culture, different thought

SONY BRAVIA 4K テレビCM

次に、テレビCMでの日本と海外の違いをみていきましょう。ここで選んだ例は、日本発で海外でも有名なブランド、SONYのテレビ『BRAVIA』です。

SONY BRAVIA TVCM:日本のケース

BRAVIAの4KテレビのCMを比較すると、どちらもBRAVIAの特徴である、鮮やかな色と高画質さを宣伝しています。日本の広告では綺麗な女優さんを使い、明るい鮮やかな服で画面の繊細さを表現しています。また、印象的なコピーで視聴者に訴えかけています。

SONY BRAVIA TVCM:海外のケース

一方、海外でのテレビCMを見ると、色彩を強調するため、一つの村を貸し切って多くのスタッフを使い、たった一つのコンセプトを壮麗な方法で表現しています。余計なメッセージはなく、綺麗な女優さんやイケメン俳優さんもいません。消費者は単純にBRAVIAの色彩がどれほど素晴らしいかに集中できます。海外ではクリエイティブのために、地方や行政が積極的に協力してくれることが多々あります。

Be crazy, be creative

日本の広告は一見保守的ではありますが、商品の効果を消費者にわかりやすく伝えており、消費者自身がこの商品を本当に必要としているか、しっかりと検討できるものが多いです。そこから日本人の商品に対する、真摯な姿勢を感じとることができます。

また、キャラクターを作るなど日本の文化から独自の発想をし、一見わけが分からなくても強いイメージを残すような広告も多くあります。日本の文化が好きだったり、理解している外国人は、このような広告が大好きです。ソフトバンクのお父さんの家族設定や、ジャン・レノのドラえもんなど、これらは海外のクリエイターは思いつかないものかも知れません。ただし、海外のクリエイターの大胆さやユーモアからは学ぶものも多いでしょう。

今後、海外と日本の広告はなぜ違うのか、リサーチしていきたいと思います。